ペインクリニックとは
ペインクリニックは。“痛み”を専門に扱う診療科です。日本では高齢化が進んでいることもあり、腰痛や頭痛などの慢性的な“痛み”で悩んでいる患者さんは数多くいらっしゃいます。本来痛みは、身体に生じた異常を知らせるものですが、原因となる疾患が改善した後も、痛みが残り続けてしまう場合があります。
そうした痛みは、よりつよいいたみを引き起こしたり、痛みのある部位をかばうことで、他の部位に負担がかかって新たな症状を呈してしまったり、さらにストレスなどの精神的な負担になってしまったりすることもあります。これらは日々の生活の質を大きく低下させてしまいます。
当院のペインクリニックでは、患者さんそれぞれが悩んでいらっしゃる“痛み”について、問診や視診、触診、必要に応じて血液・尿検査、レントゲン等の画像診断なども行って、痛みの原因や症状、体の状態を様々な角度から総合的に診断し、ご相談の上、薬物療法や神経ブロック等の治療を行って、痛みの改善を図ります。
わずかでも痛みがあると、不快だったり、不安だったりするものです。早めに対処することにより、そうしたストレスに悩まされない生活に、早期に戻ることも可能になりますので、まずは一度、お気軽にご受診ください。
対象となる主な症状
- 緊張性頭痛
- 肩こり
- 肩関節周囲炎（四十肩・五十肩）
- 急性腰痛症
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 坐骨神経痛
- 変形性膝関節症
- 筋・筋膜性疼痛 他
薬物療法
"痛み"に対しては、薬の服用による治療が一般的です。
使用される薬としては、局所における優れた消炎・鎮痛効果が期待できるロキソニンやボルタレンなどの消炎鎮痛剤があります。
また、主に関節リウマチの薬として用いられる内服のステロイド剤も、神経の炎症に効果が期待できるため、使用する場合があります。
神経障害性疼痛に対しては、消炎鎮痛剤が効きにくいとされていますが、抗うつ薬、抗けいれん薬といった薬が有効とされており、これらを使用します。
さらに医療用麻薬製剤であるオピオイド鎮痛薬の製剤なども増えてきており、選択肢の一つとなっています。
この他、体の状態を整え、自己治癒力を高めることで痛みの改善が期待できる、漢方薬を処方する場合もあります。
薬の処方に関しては、患者さん一人一人の症状や、副作用なども考慮しながら、慎重に行っていきますので、医師の指示に従って服用するようにしてください。
神経ブロック療法
神経ブロック療法とは、主にて末梢神経（脳脊髄神経や交感神経節）に直接またはその近くに局所麻酔薬を注射するなどして、痛みを"ロック"する治療です。
これにより一時的ですが、痛みを抑制します。
また同時に、交感神経をブロックすることで、血行改善の効果が期待でき、痛みにより神経が興奮し、血管や筋肉が緊張することで血流が悪化し、さらに痛みが増すという「悪循環」を遮断する効果もあります。
理学療法
痛みの改善には理学療法によるリハビリテーションも有効です。
血行が悪くなると"痛みをもたらす物質"が放出され、このため、また"痛み"が生じます。
そこで理学療法では、主に血行改善による痛みの症状の緩和を図ることを目指します。
